開始前の観世ナレーターの能楽についての丁寧な説明では、室町時代(14世紀)に成立し、六百年を越える歴史の中で独自の様式を磨き上げてきた日本の代表的な古典芸能で、現代に生きる世界の演劇の一つでもあるそうです。
能舞台の上では、日本版コメディの狂言も演ぜられます。能と狂言は源を同じくし、同じ能舞台の上でそれぞれ別の側面を発展させてきたそうです。
能の演者についての役割ですが、主役のことをシテという。能は徹底した「シテ中心主義」で、美しい衣装も面も観客の目を引きつける舞も、ほとんどがシテのものだそうです。また、上で述べた代表的な役柄もシテが演ずるのがふつうで、そのシテと応対し、シテの演技を引出す役をワキと呼びます。すべて現実に生きている成人男子で、面をつけることはなく、僧や神官、天皇の臣下などの役が多いとの事です。
シテを演ずる人たちのグループ(シテ方)と、ワキを演ずる人たちのグループ(ワキ方)はまったく別のグループで、シテ方の役者がワキを演じたりワキ方の役者がシテを演じたりすることはない。シテ方の役者は、シテやその助演的役割のツレを演じるほか、地謡(コーラス)を受け持ち、情景や出来事、登場人物たちの心理などをナレーション的に描写するほか、ときにはシテやワキになりかわって、彼らのセリフを謡うこともありるそうです。
この日の演目は、「平家物語」に関する演目で、一ノ谷の戦いにおける平敦盛と熊谷直実の一騎打ちので、登場する人物の愛憎劇や滅びの美学を演じられましたが、初心者としては、その雅やかさを感じられましたが批評するまでは困難でしたが、良い経験が出来ました・・・・・。